私たちがガムやタブレットで口にするキシリトールは、白樺などの木からとれる「キシランヘミセルロース」を原料に作られています。
キシリトールがむし歯を防ぐ理由は、大きく2つに分けることができます。
キシリトールがむし歯を防ぐ理由その1
「むし歯の原因にならない」ということ。キシリトールは口の中で「酸」をまったく作りません。さらに酸の中和を促進する働きも持っています。唾液も出やすくなるなど、口中をむし歯になりにくい状態に保ってくれます。
キシリトールがむし歯を防ぐ理由その2
「むし歯の発生、進行を防ぐ」という効果。むし歯の原因となるプラークをつきにくくし、歯の再石灰化を促します。
さらにキシリトールは、むし歯の大きな原因とされる原因菌(ミュータンス菌)の活動を弱める働きを持っています。このむし歯原因菌への働きは、他の甘味料にはみられないキシリトールだけの効果です。
キシリトールは、プラークを剥がれやすくし、ブラッシングの効果を上げたり、フッ素と一緒になって、より歯を硬くするなど、普段のむし歯予防に加える事で大きな効果を発揮します。
歯垢の減少を目的とした臨床実験の結果、キシリトールガムを一日に3~4回噛んだ園児グループは、キシリトールガムを噛んでいない園児グループより、開始から6ヶ月後には歯垢の量が約1/3であるという結果が得られました。歯垢は食糧の食べかすを栄養として繁殖する細菌と、その代謝物でできています。これをえさにした細菌は、糖を発酵させて酸を作り、歯のエナメル質を溶かします。これがむし歯の原因となってしまうのです。キシリトールは口の中を中和してくれる唾液の分泌を助ける働きもあるのです。
私どもはキシリトールを効果的に活用したむし歯予防を推進していますが、ガムを噛めないお年寄りや、小さなお子さま、またガムを噛むのがむずかしい障がいをもつ方々には、「キシリトール配合タブレット、チョコレート」をお薦めしています。
小さなお子さまにはタブレットでキシリトールの習慣化を促し、成長に合わせてガムに移行していきます。キシリトールには唾液の分泌を促進して口腔内環境を整える働きがあるので、お口の中の唾液量が減少する傾向にあるお年寄りにとっても非常に有効です。ガムが諸事情によって噛めない方々のお口の健康に、キシリトール配合タブレット。ぜひ始めてみてください。
当医院では、むし歯予防効果が高いキシリトール100パーセント配合のガムやタブレット、チョコレートしか扱っておりません。 ちなみに市販のキシリトールガムは55パーセントの物が多いのですが、100パーセントの物に比べると効果としては四分の一程度です。
100パーセントの物を選んだほうが、より効果を期待できます。
ミント味が苦手な方や、お子さまでも食べやすいマスカット味のガムも扱っています。