矯正歯科
Point.1 歯科矯正治療の現状と問題点
現在の医療は、それぞれの分野で様々な革新的理論や材料治療方法などにより、日々目まぐるしく進歩しています。確かに、簡単に解決されない大きな問題も数多く存在することも事実ですが、多くの研究機関で優秀な人材が日々努力を重ね、日進月歩しています。
それでは歯科分野における歯科矯正治療の進歩はどうでしょう。確かに歯科矯正治療を受けたいと考える患者さんは年々確実に増え、ある種メジャーな地位となり、身近な治療になったのも事実でしょう。しかし、現在現実に行われている歯科矯正治療のレベルはどうでしょうか。すべての症例が、安全に、そして確実な治療が行われるまでに進歩してきたでしょうか?
歯科矯正治療が世に生まれた100年程前に比べれば、材料も理論も開発され、ある程度の治療の合理化は図られてきたと思います。しかし、現在一般的に行われている歯科矯正治療のすべての内容が、安全で合理性の高い治療として確立されたものに至っているかといえば疑問があるのです。結論からいえば、今現在一般的に施行されている歯科矯正治療は、一部私の考える範囲において安全で合理性の高い治療だとは到底考えにくいのです。これは世界中の心ある矯正家がみな心に秘めた事実ではないでしょうか。
何より「これがすべてにおいて正しい」と言える確実な治療理論はなく、世界中どこを探しても100%信頼できる完全マニュアルと言えるべき本もなく、個々の矯正家がそれぞれ正しいと信じた理論や安易なテクニックを引用して治療を行っているに過ぎないのが現状だと思えるのです。
本来、歯科矯正治療とは「口腔内で組織に害を与えず、歯を安全に移動させて咬合関係を確立する治療」であるはずなのですが、あらゆる方面からどう考えても、組織に害を与えず、安全に、そして確実に歯を移動させるメカニズムが確立されているとはいえません。
こんな現状ですと、いつでも安全な歯科矯正治療がなされているとは言えるはずもなく、「歯根吸収」「顎関節症状」「咬合不全」などの医源的トラブルがある一定の確率で起こっていると考えられます。
特に歯根吸収においては、治療後に重症なケースを除いては、顕著な自覚症状はなく、一見外見上はキレイに配列されたかのように見えるため、治療後X線で確認しなければ分からない、とても判りにくいトラブルなのです。しかし歯根吸収の程度によっては将来とても大きなトラブルとなりえます。そうです、すなわちこの問題は、誰かが必ずや解決しなけらばならないことでもあるのです。
こうしたトラブルを防ぐ確実で安全な治療法を模索した結果、革新的に歯根吸収を防ぐ歯科矯正理論『Bio-SASM』に到達しました。SRSM研究会ではこの安全性と確実性の高い治療を行うと同時に、この普及に努めています。